理事長の挨拶
一昨年で重伝建に選定され、25年が過ぎ、本年6月より四代目理事長に就任いたしました。行政の関係者や歴史文化の専門家の方々、住民皆様のご協力に感謝申し上げます。
古代条里制を基盤に、周囲を水田風景に囲まれた農村集落の中に陣屋、神社仏閣が配置され、また白壁の商人屋敷は意匠の優れた建造物群であり保存の必要性が高いとの評価でした。平成7年に「金堂まちなみ保存会」を設立し、平成20年からは活動の場を旧中江冨十郎邸に置き、金堂まちなみ保存交流館として運営しています。行政との連携強化を図りながら観光案内や修理・修景相談にも携わっています。
平成24年には、皇太子殿下(現天皇陛下)行啓訪問されたことが保存地区の誇りとなりました。
先人が残された素晴らしい景観を守っていくためには、多くの課題があります。生活や家族構成の変化で区民も減少し高齢化や、空き家も多くなってきています。建築から歳月もたち、老朽化や自然災害で許可基準の修理・修景負担が重く問題となりつつあります。住民皆様の安心、安全なまちづくりは勿論ですが、景観を活用して生活の成り立つ事をも含め進め、また次世代に伝承していかねばならないと考えています。
令和6年6月 金堂まちなみ保存会 理事長 藤田 富保