地下灌漑水位制御システム(FOEAS)の取り組み
1 集落の圃場及び用排水の状況
当地区の水田は、礫質灰色低地土で圃場の排水性が悪いことから、小麦、大豆の収穫量の低下が著しく、抜本的な排水対策が課題であった。
また、県営圃場整備事業から約40年が経過し、水路等の老朽化に伴う漏水等の発生や営農形態の変化により、慢性的な用水不足が生じている。
2 地下灌漑水位制御システム(FOEAS)の取り組み
圃場の排水対策や水路等の改修、並びに既存水利施設の再利用を図るための手法として、水位制御器により水田の水分量を自在に調整できる地下水位制御システム 「以下、FOEASという。」の導入が有効であることの情報を得たことから、取り組みを開始したものである。
3 事業の取り組み経過
・平成22年度 「炭素貯留関連基盤整備実験事業」
・平成23年度 「戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業」
・平成24年度~27年度 「農業体質強化基盤整備促進事業」
・平成28年度~30年度 「農地耕作条件改善事業」
31.9ha(93.3%)【全面積 34.2ha】を整備
4 FOEASの効果と結果等
• 暗渠排水により湿害を回避
→大型機械の作業効率が向上した
→戦略作物(大豆・麦)の収量が増加した
• 田畑輪換が容易
→野菜栽培(キャベツ、ブロッコリー等)へのチャレンジが可能となった
• 地下灌漑により水の適期・適量供給
• 水稲栽培時の水管理が容易
→用水量の節約と管理時間の削減につながった
• 用水のパイプライン化による漏水防止
→劣化した用水路の修復を兼ねた
• 暗渠疎水材の腐食が進みにくい
→耐用年数が長いため経費節減できる
• 機能が安定
→暗渠の泥等が除去でき、洗浄が可能