小脇郷の伝説と歴史
 筏 川 の 丁 石 地 蔵

    
東近江市小脇町を流れる筏川には、丁石地蔵と言われているお地蔵さんがあります。
 このお地蔵さんは、元々筏川の中に一町毎(約100メートル毎)に建てられていたそうで 

 すが、今は3体しか現存しません。
 このお地蔵さんは、川の開削と同じ 「 狛の長者 」 の建立と言い伝えられています。 



 

筏川覆蓋工事で川の上の道路脇に移された地蔵尊

              お地蔵さんの由来

    この筏川の中にお地蔵さんが祭ってあることについては筏
  川沿いの八風街道を通る人の通行距離のめやすとして

         狛の長者が建てた
   旨、昔、地区の老人に聞いたことがあります。

    しかし、お地蔵さん信仰については、安産・子どもの安全 ・
  延命などのご利益(りやく)の依り代が一般的のようです。
   

    又、この様なお地蔵さんは、東近江市内の周辺では、建部、
  小脇郷の辺りに密集して分布しているそうです。



             地蔵と水利

    私は、納得出来る一説として、農耕生活の加護を祈るもの
  で、人に変身して農作業を手伝ったという水引き地蔵、代掻

  き地蔵、田植え地蔵などがそうした信仰を表しているという説
  を信じたい。                              

  と言うのは、ここでの地蔵信仰はやはり水利 ・ 農耕と密接な関
  係にあるということが言え、農業用水に関係して建てられている

  ことに違いないと思えるからです。                   
    農業用水は農耕者の生命線である訳で、それを農村として

  確保して利用することは、農耕者にとっての最も重要な事だっ
  たのです。                                

 

 


 

宿自治会館前の地蔵尊
 

 

 

筏川上流の宿集落の東はずれの地蔵尊


 

祈り

 

水田水口の御供え

    稲作農耕に必要不可欠な水が、途切れること無く流れて来て田圃に行き渡るように、雨乞いの祈りと同じ様に人々が願い、その心
  の拠り所として祭られていたのでしょう。

   現代でも、付近の方々が花等を供えてお祈りしておられる姿を時々見かけます


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