特徴

丁稚

 近江商人の基本は行商。そこから「近江の千両天秤」という諺も生まれました。これには天秤棒一本あれば行商をして千両を稼ぎ財をなすとの商魂の逞しさと共に、千両を稼いでも行商をやめず初心を忘れないで商売に励むという教訓も込められています。
 このように近江商人は歩いて販路を広げるなかで、商品についての需要と供給の状況や地域による価格差などの情報を速やかに入手して商業活動をおこなったのです。それにより一定の販路を獲得し資本を貯えると、全国各地に出店・枝店と呼ばれる支店を積極的に開設しました。さらには江戸・日本橋、大阪・本町、京都・室町という三都にも進出するほどの豪商となって活躍したのです。

八幡商人日野商人五個荘商人
活動開始時期 蚊帳・畳表・麻布・数珠・灯心・蝋燭・扇子 日野椀・漆器・合薬・煙管・日野きれ(繊維)・茶 呉服・太物・編笠・麻布(高宮布・野洲晒)
商圏 三都(江戸・大坂・京都)、北海道、東北、関東、中部、中国、九州 関東地方に出店が集中 京都・大坂にかけての東海道沿線 三都(江戸・大坂・京都)、関東、信濃、奥羽、畿内、九州
特色 ●元和年間(1615〜24)最も早く江戸に出店。
●「八幡の大店」大型店舗経営。
●北海道交易(柳川・薩摩の商人と両浜組を組織)。
●鎖国前は安南(ベトナム)やシャムなど海外へも進出
●「日野の千両店」小規模な出店の多さ。
●三都などの大都市は避けて地方に開設し、在方商圏とする。
●商人仲間の組織「大当番仲間」を形成。
●関東地方を中心に、酒や醤油など醸造業も盛んに経営。
●あくまで村方(在方)として存在し、農間余業として商業をおこなう。
●江戸時代の開設は13店であり、明治以降に活躍
●明治以降に活躍した商人たちは、海外への視察・進出など進取の気性に富む。
  松前屏風
松前屏風
(北海道 松前町 蔵)
日野大当番の鑑札
日野大当番の鑑礼
(近江日野商人館 蔵)
外村精綿合資会社(大正12年)

近江商人博物館

東近江市五個荘竜田町583
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