・・・環境シンポジウム・・・
 平成16年11月26日(金)あかね文化センター大ホールにて蒲生町環境推進協議会の主催による「はじめよう生ゴミの堆肥化!〜〜さらば悪臭のゴミステーション〜」と題して、環境シンポジウムが開かれました。

 町内外から340人もの参加のもと、まず石賀馨会長は、全町全住民をあげて生ゴミゼロならびにゴミゼロを推進することを決意され、つづいて、山中壽勇蒲生町長は今年の災害は自然災害というよりも人間社会のもたらした災害であるとした上で、世界的な問題解決も大切だが、我々自身、身近な問題から解決するために時期を得たシンポジウムであり、ここでの提案をこれからのまちづくりに生かしていきたいと挨拶をされました。

 このあと活動報告として、今年9月より生ゴミを集落から可燃ゴミとして一切出さないと宣言された岡本区夢プラン委員長の岡田文伸さんが活動報告をされました。岡田さんは悪臭を放つ管理の難しいゴミステーションの問題をきっかけに、悪臭の原因である生ゴミを集落住民みんなで研修を重ねながら、集落ぐるみの堆肥化に取り組まれた事例を報告されました。まちづくりは面識社会の回復と自立によって達成されることから、生ゴミ堆肥化事業は個々の問題であることと集落住民全員が協力して参加しないと達成されない事業という意味では、すばらしい事業であると力説されました。

 
 つぎに、「福祉とゆうごうするエコ村の会」会長の井狩専二郎さんは、甲賀市で2年前から稼働している生ゴミ堆肥化システムの概要を説明され、さらに、守山市在住のびわこEMラブ会員の西村佳枝さんは、ドイツの焼却炉50基に対して日本は1900基という話から始まり、生ゴミを燃やしている現実をみんなが知って、燃やさないという決心を持って、生ゴミ堆肥化を進め、蒲生町外に発信してほしいと呼びかけられました。最後に龍谷大学環境ソリューション学科の竺文彦先生より、前世紀、厚生省は衛生上の理由から生ゴミは焼却すべきと決めた事が原因で多くの焼却場の建設が進み、ダイオキシンの問題が出ている。21世紀は180度転換して、リサイクルできるものは、生ゴミだけでなく、様々な紙もプラスチックもリサイクルすべきというふうな政策に変わりつつある。生ゴミを燃やすことは犯罪的行為であるとして、環境の先進地であるドイツの事例を交えてスライドで報告されました。

 続いて、蒲生町消費生活研究会会長である村田せつ子さんならびに蒲生町地域婦人会岡本支部長の堀井千代美さんを交えて意見交換が行われました。先ず、村田さんは10年前から始めた簡単で取り組みやすいEMぼかしによる堆肥化を紹介され、堀井さんは岡本が取り組んできたことを是非蒲生町でも取り組んで欲しいと訴えられ意見交換が始まりました。
 竺先生は効果的な生ゴミの堆肥化方法は水口のようなシステム化をしないといつまでたっても生ゴミゼロにつながらないと言われた事に対して、西村さんは団地と農家が協同で堆肥化に取り組んでること、村田さんは先ずすぐに取り組まないといけない。その点、EMボカシによるバケツ処理は明日からでもできると訴えられました。岡田さんは生ゴミ堆肥化を楽しんでる人、安価に生ゴミをそのまま畑に埋めている人がある中で個々の生活スタイルにあった処理が必要であることと、システム化された生ゴミ処理のような人任せにすると、次のゴミ減量運動につながらないと指摘されました。会場からは、この運動が進めばゴミ焼却場をもっと小さくできるのでは・・・ゴミの有料化の問題はどうなっているか・・・生ゴミ処理システムに費用がかかっているのであれば使用者負担にすべきだ・・・明日から取り組める方法を教えてほしいなどの質問や意見が飛び交いました。
 最後に、竺先生は熱心な方そうでない方さまざまな人が住んでる町内で、少しでも多くの方がゴミの問題に目を向けることにより、行政を動かす力となって、ゴミ焼却場のような大きな問題も見直され、蒲生町全体が変わって行くと思われるとして締めくくられました。