環境とくらしを考えるつどい

主催:東近江さわやか環境づくり協議会
    びわ湖の水環境を守る生活推進協議会
    エコライフあかね

後援:東近江市

平成18年2月19日(日)  於:あかね文化センター

次第:開会あいさつ
    東近江市 久田助役 
    東近江さわやか環境づくり協議会 山形会長

講演:岡本夢プラン環境部成果発表
   「健康な身体づくり、健康な地域づくり」
    岡本夢プラン委員長 岡田文伸氏

映画鑑賞:「デイ・アフター・トゥモロー」

講演内容

@あいさつ
 私の住む岡本地区では地区をあげて生ゴミの堆肥化を行っています。もちろん、今日お越しの方の中にも堆肥化を昔から当たり前のごとく行っておられるご家庭がかなりあると思いますが、このことがいかに身体の健康に大切かということを今日は改めて考えて頂ければ幸です。

 生ゴミの堆肥化は、決して新しいことをするものではなく、農耕民族の日本では古来からやってきたことで、食べ残しや米のとぎ汁や排泄物までも全て農地に還元し、化学肥料のない昔の肥料としてはこれしかなく、江戸時代の文献を見ますと、町へ農家が野菜を持って、町の生ゴミや屎尿と物々交換していた歴史も伺えるほど大切な肥料でした。このようにしながら作物を作ってきたことは、多分、我々の世代以上しか知らないと思いますが、この生ゴミ堆肥化を実践し、子供たちに教え、後世につなげていければなあと思っています。

A岡本夢プランの説明
 私がこのような活動をするに至ったきっかけは、旧蒲生町で展開されています夢プラン事業がきっかけですので、先ず、私どもがこの3年間、夢プランというものに携わってきた内容をここで若干お話しし、本題に入っていきたいと思います。

なぜ生きる
 人間は何のために生きているのと聞かれると私は
食べるために生きていると応えます・・・また逆に生きるために食べています。ねこやいぬ達も、同じで食べて寝て排泄しています。
 しかし、人間は弱い動物で、頭が賢いが故に感情があり、1人で生きていくには非常につらい。だから、家族をつくる。さらに、食べ物を育てるための田んぼを守るために集落をつくってきました。そこには、助け合うことが当たり前でありました。

 そんなことを繰り返し繰り返し、何千年も人々はバトンタッチしながら生き続けてきました。

 今、日本では、何を間違ったのか、たった半世紀ほどの間に、自分が良ければ周りはどうでもいいという考え方に日本人は変わってしまいました。そして、子孫に多くの借金を残してしまいました。
 あと、数十年ももたないかもしれない、石油中心のエネルギーシステムを造り上げてしまいました。
自分が満足すれば、他人は他人。他人のことまでかまっていられない。と思っている人が増えてきている。
 ちょっと待って〜な〜!と思いながらこの事業を頑張っています。

「毎度すんまへん」エリアの活動の大切さ
 夢プランは簡単に言いますと「健康な地域づくりの為の計画づくり」ということです。
 元気な地域にしておかないと、若者はどんどん住み易い都会に流れる、それに人口の減少が拍車をかけて、集落が1つ1つ無くなっていく。そんな、思いがつのります。

 そんな風に自分の集落が無くならないためにも、住んでいたいと思える地域にすることによって、先人達と子供や孫への責任が果たせるのではないかと思いながら頑張っています。

 そして、夢プランというのは「まいどすんまへんエリア」すなわち、顔見知りの範囲である集落単位、自治会単位の自治活動が、一番うまくいくだろうということから、集落単位で「ご近所の難問解決します」的な活動が夢プランであります。集落単位の活動は、今始まったものではなく、何千年も昔からやってきたことで、市町村などの行政組織は明治中頃以降のことで、わずか100年足らずのことでです。


元気な自治会づくり
 東近江市を身体にたとえれば、各集落は細胞です。「毎度すんまへんエリア」である集落が活発であれば、東近江市も活発になると思っています。
 
夢プランとは
 各自治会単位で平成14年度に夢プラン委員会が結成され、行政から2名づつの援助の中で、集落内の歴史、文化、環境調査を経て、住民アンケートを実施し、先進地視察を行い、改善案を練り、平成15年度から3年計画で、集落住民総出の手作り事業を展開してきました。

 市町村の10年ごとに見直し実施されています総合発展計画のような、集落の総合発展計画とも言うべき夢プラン事業の特色は、住民みんなが汗を流した手作り事業に対して、材料費の80%を補助するというもので、3年間に1集落約150万円の補助で実施するものです。この3年間で旧蒲生町42集落の内38集落が参加しました。
 私達は夢プランをきっかけに、様々な気づきをいただき、そして、集落住民の絆が生まれました。
 このように、政策として行政が動いてくれないとできなかったと思います。自主的に実施して成功することもあるでしょうが、行政に政策として動いてもらったことにより、住民の理解が得られやすいこともあります。いくつかの問題点もあったでしょうが、大多数の集落が参加した手作り事業としては大成功であったと思います。


「あれから1300年そしてこれからの1300年のために」
 わが岡本の夢プランの理念は
 「あれから1300年そしてこれからの1300年のために」であります。岡本の発祥が1300年前であることから、これからも1300年先を見据えた夢を描こうという意味です。
 そして、様々な問題を解決するために4つの委員会を結成しました。

岡本の4つの委員会
 岡本区での平成15年度からの事業の内訳は、
1)歴史深い岡本を知る・・・歴史研究委員会
 歴史深い自分の集落を知ることによって、先ほど申し上げました私たちの祖先の足跡を知る。そして、今生かされている自分の生き方を反省し、後世につなげていく。
歴史を身近にわかっていただくために出来るだけ多くの看板を制作しました。
 そして、宿場町であった岡本を蘇らせるために、他地域の見学と健康づくりを兼ねて集落住民みんなで御代参街道36キロを歩きました。それでは飽きたらず、平成19年までには、多賀から伊勢までの130キロを踏破する予定です。
2)ガリ版発祥の地・・・堀井家整備委員会
岡本出身の堀井新治郎は明治27年ガリ版を発明しました。簡易で便利な明治のコピー機は瞬く間に日本全国に広まり、昭和40年代に電子コピー機が開発されるまでの70年間、ガリ版は大ベストセラー商品として使われ続けました。しかし、ガリ版が事務現場から必要でなくなってからは、堀井新治郎の生まれ育った堀井家の屋敷は草ボウボウとなってしまいました。ようやく昨年の冬。土地を公有化し整備し、今後は「ガリ版芸術村構想」として、様々なプランを計画中です。
3)古いしきたりの改善・・・生活改善委員会
山の神神事、神社行事、お葬式のこと等々、昔から様々なしきたりが色濃く残っているのも集落の特徴です。わずらわしいのが本音ですが、これを無くしてしまわずに改善することによって、古い歴史に対して誇りを持ちながら、みんなが住み易い地域に改善するために、様々な規定の見直しを行っています。
4)ゴミと景観整備・・・環境整備委員会

B岡本のゴミ減量運動の経過
岡本のゴミ減量運動の経過
本日の本題となります、
 ゴミステーションが臭いから始まった生ゴミ堆肥化運動。非常にゴミ収集のマナーの悪かった岡本地区。生ゴミでドボドボの可燃ゴミはゴミ収集車が来るたびに、汚水が付近の田んぼに流れ、悪臭がひどく農家とゴミ当番さんの悩みの種でした。
 「ゴミステーションをもっと遠くに持っていこう」という役員さんの決定にも関わらず、高齢者が持ち込めないことや管理がより悪くなる理由で候補地が決まりませんでした。
 そこで、環境委員の徳島県上勝町へのゴミ研修と、委員会で議論を重ねた結果、生ゴミを一切可燃ゴミに入れない宣言をいたしました。これを実現するため、住民みんなの研修を重ね、各家庭の生活スタイルにあった生ゴミの堆肥化方法を選択していただき、平成16年9月1日から生ゴミを可燃ゴミとして搬出禁止といたしました。これと同時に、岡本独自のゴミ減量運動のおかげで、可燃ゴミの袋数は半減し、現在に至っています。この辺の経過を見ていただきたいと思います。


徳島県上勝町
 徳島県庁から、車で50分。総面積の85.6%が山林のまち。高齢化率44%。ここでは、パッカー車が走っていません。要するにゴミ焼却場がありません。焼却場を設置する予算がない。から始まった、ゴミゼロ運動。ゴミのリサイクル率全国平均14%に対して、上勝町ではなんと80%。これを達成するためにゴミの分類数は34分類。しかし、苦にもならず、楽しく、ゴミゼロに向かって、せっせと精力的にやり続けておられます。
 私たちは、平成16年の春、上勝町の見学をしました。そこで、説明願った東ひとみさんの部署は通常、環境課か生活課が担当ですが「まちづくり推進課」でした。「ゴミゼロ運動はまちづくり」という高い理念が伺われました。
 そして、住民が苦にならない秘策は、年362日空いています町のゴミステーションです。ここでは、職員さんが1人常駐されていて分別のお手伝いをされていました。
 ここで、岡本環境委員は多くのことを学び、ゴミゼロ運動をすることを決意しました。


 岡本に帰って、先ず、ゴミ処理の現状について勉強しました。

いつまで生ゴミを燃やすの?
 東近江市で年間のゴミ処理費が12億4千万円。これがどのような数字であるかといいますと、岡本の集落単位に換算しますと年間300万円。岡本の運営経費が年間600万円程度ですが、もし、、ゴミ処理を集落で全額面倒みて下さいということになれば、集落がひっくり返るほど大騒ぎになると思います。目に見えないところで多くの経費がかけられているのです。


東近江のわがままグラフ
 10年前と10年後の人口と可燃ゴミのグラフです。こんな風に人口はさほど変わらないのに、ゴミはどういう訳か 増え続けます。その10年後を想定してあたらしいゴミ焼却場も計画されています。いま、みなさんでゴミ減量に取り組んで 頂かないと、将来の子供達に大きな借金と負の遺産を残すことになります。岡本ではたった半年で半分になりました。


日本の焼却場の数なんでこんなに多いの
世界の焼却施設の数
 日本    1490 1億3千万人 8.7万人/基
 アメリカ 168  2億9千万人 172万人/基
 イギリス   100 6千万人 60万人/基
 ドイツ     51 8千万人 157万人/基

 不衛生なものは全て焼却してしまおうという間違った日本の法律のために、こんなに多くなってしまいました。昔から資源として大切にしてきた生ゴミまでも化石燃料を使って燃やす焼却場。地球から見れば、日本人は犯罪者とまで言われる方もおられます。そんな政策がリサイクル率をいつまでたっても上げることができません。日本のリサイクル率14%に対してニューヨークは45%ポートランド市では条例において行政に許可を受けた業者と地域住民が直接収集契約する方法をとっています。そんなわけでリサイクル率54%と高水準です。


菌について
 生ゴミを堆肥化するためにどうしても、頭に入れておく必要があるのは細菌のことです。生ゴミの堆肥化は細菌の力を借りて堆肥にしています。細菌といいますと通常、ばい菌を想像して不潔という観念がありますが、みそや醤油や滋賀県独特の鮒寿司など発酵食品はすべて菌のおかげになっています。自然界には空気中、水中、土の中にも菌が存在しています。そして、身体の中にも存在し、人間の細胞の数は60兆個ですが100兆個の菌が身体の中にいます。菌には悪い菌と良い菌が混ざり合っていて、良い菌とうまく付き合うことによって、うまく堆肥になるというわけです。
 生ゴミをうまく堆肥にするためには、菌のことをしっかり勉強しないと大切な資源も腐らしてしまったら大変です。空気の好きな好気性菌の特徴、空気の嫌いな嫌気性菌の特徴を知って、良い菌がうまく活発に活動できる環境を作る必要があるということです。そうしないと、悪い菌に占領されて腐らしてしまうということです。このことについては、後ほどお話しします。


岡本のゴミ減量のようす
 様々な研修を重ねて、岡本では生ゴミの堆肥化と独自のゴミ減量運動により、可燃ゴミを半分に減らすことができました。

 ゴミステーションには生ゴミ禁止の看板と集落の真ん中の共同の農作業所をゴミ再生ステーションと名付けて独自のゴミ減量に取り組んでいます。独自のゴミ減量とは、新聞、雑誌、段ボールだけでなく束ねられない紙(菓子箱、包み紙、封筒、サランラップの芯など)についても透明のビニール袋に入れて集めています。さらに、発泡トレイも集めて近くのスーパーさんに運んでいます。

 岡本での生ゴミの堆肥化方法は、現在、発酵式電気処理機が38戸、EMバケツが33戸、直接畑とかコンポストが27戸、堆肥化施設が20戸となっています。それぞれ、2つ以上の方法を併用されている家庭も43戸と多く、けっこう面倒な処理を頑張って続けています。
 
 このような運動を平成16年9月1日から始めて、可燃ゴミの袋数が半減しました。現在もほぼ、このような袋数で推移しています。

 運動を始めて1年半、健康な身体は健康な野菜を食べることからということで、堆肥で作った野菜づくりに挑戦されている家庭がじわじわと増えてきました。

先進地・・・甲賀市
 つぎに、生ゴミ堆肥化を政策的に進めるのであればこの方法がベストかなと思っています。旧水口町では、生ゴミの堆肥化を全町的に広めようと企業の知恵を借りながら、システム的に進めてこられました。
 現在は甲賀市となり、じわじわと甲賀市全域に広まりつつあるようです。都市部でもすぐに参加できて、さらに良質な堆肥を作るためにはこの方法が一番近道であることがよくわかりました。
 現在、旧水口管内で4600戸(全体17000戸、戸数比25%集落数で81集落のうち75集落参加、70%)甲賀市全体で5300戸がこの堆肥化に参加しておられます。
 「生ゴミが可燃ゴミに投入されることでプラスチックが燃料の一部として必要になってくる。最終的には紙やプラスチックを可燃ゴミに入れない運動をしていきたい。そのためには先ず生ゴミの堆肥化が先決」と甲賀市環境課の望田係長さんは次の目標を話して下さいました。
 今後、ゴミ減量を政策として進めるならこの方法しか無いと確信しました。



C農地も身体も善玉菌の危機
 生ゴミの堆肥化は細菌により生ゴミを分解しています。つぎは、私達の身の回りの細菌がいかに身体の健康、畑の健康に影響を及ぼしているか時間まで考えてみたいと思います。


発酵と腐敗
 結論から申し上げますと、身体の健康を左右しているのは小腸大腸であるということです。人間の身体にとって味方が善玉菌、善玉菌による物質の変化が発酵。人間にとって敵が悪玉菌、悪玉菌による物質の変化が腐敗と一般に言います。善玉菌に包まれた生活をすると健康を維持できるし、悪玉菌に犯されると病気になるということです。そして、日和見菌という中間菌がいて、これが優勢なほうに味方をするという菌です。
 そして、小腸大腸をこの善玉菌状態にすることが、健康への最善の近道ということです。

同じ間違いを犯してしまった
 生ゴミ堆肥化事業を続けた結果、堆肥から野菜などを作っていますと、今までの化学肥料と農薬に頼った作物栽培が身体の健康にとって、いかに危険であるかということを感じるようになりました。と同時に、身体の内部と畑の土づくりとは非常に似通った間違いを犯してきたことがわかりました。
 すなわち、畑は単一な化学肥料と農薬、人間は栄養価の低い畑で育てた野菜と食物に混入している防腐剤や西洋医学に頼りすぎた飲み薬中心の生活。

 すなわち、畑にとって人間にとって、とても必要な善玉菌の種類と量が激減し、非常に抵抗力の低下した畑と身体になってしまったということです。
 人間の祖先は細菌であると言われています。その細菌を踏みにじって健康な生活はあり得ないということです。要するに、畑も人間も非常に豊富な善玉菌が必要であるということです。
 

西洋医学の危険な現実
 過去を振り返りますと流行(はやり)病といって、突然多くの人が病にかかった歴史がありました。その多くは細菌系(悪玉菌)の病気です。例えば、コレラ、ジフテリア、破傷風、結核菌、インフルエンザ、ペスト等ですがこれらの病気を治すために、ワクチンを作って治す西洋医学はすばらしい効果を発揮しました。しかし、この辺の考え方を京都大学医学部で作成された日本近現代医学史を見てみましょう。
「紆余曲折を経ながら主要な感染症を駆逐し死亡率を低下させることで日本は世界的長寿国となった。しかし近年新たな問題を抱えている。感染症の克服はそれへの知識・関心を持たぬ医師を増加させた。また無闇に抗生物質を多用する風潮があるため多剤耐性菌が次々に出現、医療機関で脅威となっている。抗生物質の使用に関しても出来る限りよく原因菌を見定めて無闇に強力なのを使うのでなく有効な投与が必要であろう。耐性菌による結核など再興感染症、新興感染症の出現により再び感染症対策に力を注ぐ事が重要になっている。物資・人の移動が世界レベルになった今日、いつ海外の感染症が入ってきても不思議ではない。

というように、抗生物質と身体を攻撃する細菌のいたちごっこであることが理解していただけると思います。

 このように、西洋医学は攻撃型の医学で、感染症には非常に効果のある医学として発達してきたけれど、頼りすぎると非常に危険なものであることがわかります。


ガンについて
 つぎに、非常に死亡率の高くなったガンは細菌による疾病でなく、細胞が変異しガン細胞になるということで、西洋医学的な攻撃型の治療法は不得意な分野で、副作用がきつく、一旦ガンに冒されると非常に不幸な人生を強いられるだけでなく、完全な回復が難しいとされています。そして、ガンの死亡率がいつまで経っても低下しないのが西洋医学への偏りの現状です。

 ガン細胞は、驚いたことに人間1日に数万回もガン細胞の発生に直面しているらしいです。しかし、人間の免疫力のおかげで発症を免れています。でも、身体の抵抗力が低下する中高齢者にはガンの発症率が急激に高まるということです。

ガン患者急増の原因
 1)食生活の変化(動物性タンパク質依存型)
 2)化学肥料で作られた食品なので、栄養成分が単純である。
 3)医薬に頼りすぎて、腸内細菌が単調で減少し、小腸大腸の抵抗力が低下している
 4)多忙な経済活動でストレスを多く貯めすぎ
 5)ダイオキシンなどの環境ホルモンの蓄積


「腸免疫力」で病気にかからない身体
身体を単純に描くとこのようになりますが、身体の細胞を意識した細胞と外界のイメージです。身体の細胞にとってはどちらも外です。皮膚は目に見えますが、食道から小腸大腸までは目に見えません。身体の中でこの小腸大腸の手入れが一番大切であるということであります。
 身体の皮膚の面積を合わせても畳1畳ほどでしょうが、この小腸大腸を広げるとテニスコート1面分の面積があります。 

 元北海道大学医学部の岩本光存欣(ミツアキ)氏の「腸免疫力でがんと戦え」の一節を読み上げます。
 <ガン克服の鍵を握っている免疫力が充分に働くかどうかは「腸」にかかっている。人間の腸管には免疫細胞であるリンパ球全体の、実に70%以上が集中している。そして、腫瘍免疫(ガンに特異的に働く免疫)も、なんと身体全体の80%近くが腸管に集中している。なぜなら、腸は身体に必要な栄養素を吸収する場所であるため、外から進入してくるありとあらゆる有害菌や異物に徹底的に備える必要がある。そのために腸はきわめて豊富で高度かつ緻密な免疫機構が腸に集中している。つまり、腸管免疫を活性化させれば、ガンに打ち勝つための全身の免疫力が高まる。
 人間の腸内には、人間の身体を構成する約60兆個の細胞よりもさらに多い数の腸内細菌が住み着き、消化吸収や免疫に関わる大きな働きをしている。腸を治すには、全部で100兆個とも言われる腸内細菌のバランスを整えることが先ずポイントとなる。>

 腸の抵抗力を増強することにより身体の抵抗力が上がり便秘、痔、ガン、ウイルス性疾患、花粉症、アトピーほとんどの病気になりにくい身体になるということです。

「おもいっきりテレビ」
 みのもんたさんは連日「おもいっきりテレビ」で身体の健康ために、すばらしい食材の組み合わせを放送されてます。しかし、良いことをいっぱい教えてもらっても、壊れかけたテレビはいくら電波が強くても写りが悪いと同じように、吸収力の弱い腸では効き目が弱いということです。

 ミネラル豊富な健康な地元の土で育った、健康な野菜を多く摂る。ミネラル豊富な魚を多く摂る。細菌の多い食品すなわち発酵食品(みそ汁、納豆、お漬物、チーズ、ヨーグルト、そして鮒寿司など)を多く摂ることにより、小腸大腸に多く善玉菌が住み着き吸収力が向上するということです。
  例えば、かつお節には抗菌物質であるアスペラチンという成分が含まれていますが、かつお節の原料である生のかつおにはほとんど含まれていません。これは新しい成分が発酵によって生まれ、かつお節の中に蓄積されていったことの証拠です。アスペラチンはガンを予防する効果が注目されている成分です。
 チーズやヨーグルトなどは原料の牛乳に比べてタンパク質やカルシウムが何倍も凝縮されているのが特徴です。少しの量でたくさんの栄養を補給でき、まさに発酵によって生まれた健康食品です。
 不足しがちなカルシウムも発酵の段階で身体に消化吸収されやすく変化しているので、骨粗しょう症が気になる方には特におすすめです。発酵乳は、腸内の環境を整えて免疫力をつける働きもあります。
 納豆やチーズ、みそしょうゆなど、どの発酵食品にも独特の香りがあります。人によって好き嫌いはありますが、全般的に食欲をそそる香りをもつのが発酵食品の特徴で、こうした香りや旨みも微生物によるものなのです。
 また、発酵食品は保存性がよくなるのも大きな特徴。生野菜はそのままほうっておくとすぐ傷んでしまいますが、漬物にすると保存期間がぐんと長くなります。牛乳がチーズ、かつおがかつお節に変化する場合も同様です>

 要するに発酵によって、以下のすばらしい利点があるということです。
 1)有用菌(善玉菌)が豊富
 2)新成分生成
 3)栄養分の凝縮
 4)保存性の向上(悪玉菌が発生しない)



「身土不二」
 さらに菌には方言といいますか地域独特の馴染みがあると言うことです。「身土不二」という言葉があります。
 身土不二とは、中国の仏教用語で「風土と身体は一体」と言う意味。人間が自分の足で歩ける範囲(三里四方とも四里四方と言われている。)で採れたものを食べることが一番身体に良いという食の教えです。身体と大地は一元一体であり、自然と同化することによって、それぞれの命が保たれているのです。
 このことはまさに細菌について言っているものと思います。善玉菌には、細菌同士の馴染みがあって仲良くできる細菌とそうでない細菌があり、遠くでできた食物を食べると細菌同士の馴染みが無くて、吸収が悪いということです。


「よもぎ発酵液」と「EM発酵液」
 1年間生ゴミに散布し、また自分も使い続けました。多くの方から体験談が寄せられています。
 これの作り方は朝日が昇るまでに10人くらいが一気によもぎを摘んで、その場で桶につけ込み、20日ほど漬け込んだら、上に上昇してきた液をとり培養するというものです。植物は空気中や土中から水分や栄養素だけでなく善玉菌を多く集めて生きていますが、特によもぎは善玉菌を吸収する力が強いということです。このように、地元の細菌で作った発酵液が「よもぎ発酵液」です。
 これに対して「EM発酵液」は、有機物の発酵に有用な特定された80種類以上の細菌を培養したものです。どちらも利用方法に違いはありません。生ゴミの堆肥化には専用バケツを使って、モミガラ、モミヌカなどで作るEMボカシによる堆肥化が一般的ですが、直接散布しても効果は変わりません。


身体の健康を維持=病気しない+ストレス貯めない
 病気をしたら病院へ行けばいいと思う考え方を改めて、病気にならない工夫。すなわち身体の抵抗力を向上させる方法を考えなければならないのです。それと、細菌は全て悪いという細菌撲滅型の西洋医学的な考え方から、良い菌で悪い菌を寄せ付けないという意識改革が必要なのです。是非、体感してほしいと思います。
 それと、ストレスはいけないと思っているだけでなく、ストレスを貯めない努力をしなければいけないのです。これについては説明に時間がかかりますので、割愛します。


Dまとめ

明日からの堆肥化の方法
 生ゴミ堆肥化の方法は畑のある方無い方、堆肥化をじっくりしたい方、そうでない方、個々の生活スタイルが違います。どうか、自分の生活スタイルに合った堆肥化方法を選択していただいて、明日からでも始めて頂ければ幸です。


ゴミ減量運動は大切な子供へのプレゼント
 今、100億以上の経費をかけて日野にゴミ焼却場が建設されています。私は、ゴミ焼却場の焼却容量の見直しについて訴えた時期がありましたが、時既に遅く当初計画のまま建設が進められています。

しかし、今後、ますますゴミ減量を進めていくことにより、多大な経費で作った我々の財産は確実に長持ちさせることができます。
 さらに、このゴミ減量運動がどんどん広がっていけば、環境の東近江地域、環境の滋賀として胸を張れることにつながるのではと思います。

 どうか、今日ここにお集まりのみなさまが、1人でも多くゴミゼロに向かって立ち上がり実践していただき、この考え方を体感していただき、みなさんが健康的で生き生きとした人生が送れますことを祈念致しますと共に今後、東近江市で展開されます様々なゴミ減量運動、ゴミ減量政策にご協力よろしくお願いいたしまして、成果報告にかえさせていただきます。どうも、ご静聴ありがとうございました。







@あいさつ
A岡本夢プランの説明
B岡本のゴミ減量運動の経過
C農地も身体も善玉菌の危機
Dまとめ