平成18年7月9日(日)第14460号

◆東近江・東近江市◆
生き残り掛ける 地域農業
林田生産組合が試験栽培
残さリサイクル肥料で育生
=提携の王将へ「菜心」を納入=

◆東近江・東近江市◆
新たな芸術開拓・発信
ガリ版藍染め大成功!
=親子約30人が作品づくり=


◆東近江・東近江市◆
八日市南高校で
=花いっぱい運動=


◆東近江・東近江市◆
今年の夏こそ!
「ゆかた着付」
=
受講生を募集中=


◆東近江・安土町◆
安土城の次は観音寺城
県安土城郭調査研究所
中世屈指の山城の全容解明へ
=2年かけ基本構想と計画づくり=


生き残り掛ける 地域農業

林田生産組合が試験栽培

残さリサイクル肥料で育生
=提携の王将へ「菜心」を納入=



▲王将との連携で試験栽培を行うビニールハウス
◆東近江・東近江市◆

東近江市林田町の林田生産組合(古川英佐組合長、十五人)は、外食産業大手の王将フードサービス(京都・山科)の直営店から排出される残さ(食べ残しや切りくずなど)をリサイクルした堆(たい)肥を使って、中国野菜「菜心」(さいしん)の試験栽培に取り組んでいる。

 王将直営の三百店舗と一次加工の四工場から出る残さは、一日約十五トンに上り、うち約三分の一を飼料原料として出荷している。残りをリサイクルし有機肥料に活用できないかと、試験的に栽培する農家を探していた。

▲中国料理に欠かせない「菜心」
 十年前から農地の再利用に取り組む同生産組合は、王将直営店のうち十三店舗に業務用生ごみ処理機を納める松下電器産業の紹介を受け、六月初めから中国料理に欠かせない食材「心菜」の栽培を始めた。

 同町宮ノ前にある飯開神社南側の県道沿いに面したビニールハウス(幅六メートル、長さ五十メートル)で栽培し、王将直営の彦根店に一日五キロを納入している。高橋至事務局長は「さらに規模を拡大し採算ベースに乗せたい」と話す。

 市の地域特産作物生産振興補助事業を活用し、隣接する休耕田に五百平方メートルのビニールハウスを建てる計画だ。将来的には王将との契約栽培にこぎ着けたいとして、全国的に珍しい「菜心の栽培」に地域農業の生き残りを掛ける。


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新たな芸術開拓・発信

ガリ版藍染め大成功!

=親子約30人が作品づくり=



▲世界に一つだけの作品に子どもたちも満面の笑み(東近江市蒲生岡本町のガリ版伝承館で)
◆東近江・東近江市◆

 世界初のガリ版藍染めに成功―。NPO法人蒲生野考現倶楽部と東近江市教育委員会蒲生教育分室、蒲生マックス(ネイチャー)クラブは一日、東近江市蒲生岡本町のガリ版伝承館で「ガリ版印刷・藍染め体験」を催し、市内外から訪れた親子約三十人が自分だけの作品づくりに取り組み、新たな芸術分野を開拓した。

 エジソンのミメオグラフをヒントに謄写版(愛称=ガリ版)を発明した堀井新治郎父子のふるさと蒲生岡本町。偉大な発明王の足跡と温かみあるガリ版文化の魅力を後世に伝えようと、同町ではガリ版芸術村構想の具現化に取り組んでいる。

 今回は、蒲生マックスクラブの一つネイチャークラブの指導を担当しているNPO法人蒲生野考現倶楽部の発案で、蒲生岡本町民もガリ版指導などに協力。

 参加者らは、まず、堀井家母屋の座敷で、ヤスリの上にのせた原紙に鉄筆でガリガリと音を立てながら、夏らしいうちわやヒマワリ、カブトムシなどを描き、ローラーで印刷した。六年生の男児は自分の作品を見て「なかなかだ」と満足げで、「力の入れ具合が難しかったが、ガリガリという音が気持ちよかった」と充実した表情を見せた。

 また、謄写技術継承者・佐藤勝英さん(熊本県在住)の多色刷り作品を見た子どもたちは、「わーすげー。なんでそんなんできんの」や「絶対うそやわ」とガリ版の奥深さを実感していた。

▲木工用ボンドを使ってガリ版藍染めに挑戦
 続く藍染め体験では、井阪康子さんの指導を受け、参加者が真っ白な布に、模様を付けるためビーズやおはじきを包んで輪ゴムでとめたり、割りばしで挟んだりして染めない部分を作り、染料にやさしく二度漬けた。

 布が黄緑色から空気に触れ酸化することによって藍色へと変色していく過程に、子どもたちは「さっき緑やったのに青になった。なんで色が変わるの」と目を丸くした。乾燥させて世界に一つだけの作品が完成、子どもたちは頭にバンダナのように巻き、肌身はなさず持っていた。

 さらに、世界初となる“ガリ版藍染め”にも挑戦。ロウ原紙に絵や文字を描き、その後、布の上に原紙をのせ障子のりを塗り込んだ。原紙から染み出たのりの部分だけが染まらないとの想定だったが、実際にやってみると、染料を湯で溶かしていたためにのりが溶け出し失敗。その場で改良を重ね、木工用ボンドを使用したところ、染料に漬け込んでもボンドが付いた部分が白く残り、くっきりと絵が浮かび上がった。

 ガリ版芸術村事務局の岡田文伸さんは、「ガリ版での藍染めがうまくいくか心配だったが成功して、印刷分野にとどまらず染め物でもガリ版の新たな魅力が引き出せた」と喜び、さらに完成度を高めて体験教室も検討していくという。

 八月初旬には、東近江市大塚町のあたらしや学問所でも「ガリ版藍染め体験」が催される予定。


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▲生徒と一緒に花苗を植える春日町の住民
八日市南高校で

=花いっぱい運動=


◆東近江・東近江市◆

 学校周辺の路上を花で飾る花いっぱい運動に取り組んでいる県立八日市南高校で六日、近くの春日町の住民も参加して、花苗をプランターに移植して路上に設置する作業が行われた。

 もう十五年も前から続けられている農業クラブの活動で、今年から同町自治会も一緒に取り組むことにした。

 この日の作業には、生徒二十二人と同町自治会の代表九人が参加。花苗は、生徒が育てたベコニアセンパフローレンスの品種を提供し、自治会と学校所有のプランター合わせて一○一個に、それぞれ白、赤、ピンクの花株を三株ずつ植え込み、学校と住宅地の間の路上に運んで並べた。水やり等の世話は、自治会が行う。


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今年の夏こそ!

「ゆかた着付」

=受講生を募集中=


◆東近江・東近江市◆

 和装にあまり親しみのない若い女性にも根強い人気の“浴衣”。蒲生公民館は、二十三日に東近江市あかね文化センター学習室で開く「公民館教室一日講座〜ゆかた着付〜」の受講生を募集している。開講時間は午後三時から同五時まで。

 花火大会や夏祭りなどに、さっと浴衣を着こなして出掛けたいという人にぴったりの講座。日本独特の風情と涼を楽しむ浴衣を、一人でも着られるよう三嶋富二子さんが指導する。

 対象者は中学生から一般の人。定員は二十〜三十人で、先着順。受講料は無料で、浴衣と帯(半幅帯)、腰ひも三本、帯板、だてじめ、タオル一本を持参する。受講希望者は、二十二日までに蒲生公民館(電話55―0207)へ申し込む。


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安土城の次は観音寺城

県安土城郭調査研究所

中世屈指の山城の全容解明へ
=2年かけ基本構想と計画づくり=



▲安土城(左上部の山)よりはるかに広大な観音寺城を復元した模型(県立安土城考古博物館に常設展示)
◆東近江・安土町◆

 県安土城郭調査研究所は、平成元年から二十年計画で実施している特別史跡安土城跡の調査・整備事業に続いて、史跡観音寺城跡での調査・整備事業に着手するため、今年度から二年かけて整備基本構想と基本計画を策定することをこのほど発表した。

 史跡観音寺城は、近江源氏の流れを汲み、鎌倉時代から近江守護として南近江一帯を織田信長以前に支配していた佐々木六角氏の居城で、安土町と東近江市をまたぐ繖山(きぬがさやま 標高四百三十三メートル)一帯に広がる国内最大(指定面積二百四十三ヘクタール、安土城九十六ヘクタール)であり、安土城から本格化する以前に石垣を多用した、中世屈指の山城として知られる。残存する郭群や出土遺物、文献資料などから、戦国大名の実態解明が期待される。今春、安土城などとともに「日本100名城」に選定された。

 基本構想・基本計画策定事業は、平成十六年度から行ってきた史跡観音寺城跡保存管理計画策定事業を受けて行うもので、八月に発足する考古、歴史、都市計画、森林生態などの専門家に、津村孝司安土町長・観音正寺らを加えた七人の委員による委員会で、文化的遺産として適切に保存し、地域のシンボルとして活用できるよう、調査・整備の進め方を検討する。委員会は公開され、今年度は本城など指定地域内や館町など周辺の文化財と関係づけながら、東近江市側で進められている里山保全活動などとも連携して自然環境に配慮した、一体的な史跡整備の方針について協議する。

 特別史跡安土城跡については、今年度で発掘調査と環境整備が完了、来年からの開放利用に向けた節目の年とした。

 発掘調査は、東近江市との境界の北腰越峠手前の県道とJRに囲まれた旧風土記の丘駐車場約七千平方メートルで、「下街道」と「東内堀」について調査・確認する。

 環境整備事業については、整備完了している東西石塁の前面部分約二千五百平方メートルを、まさ土舗装する。公共下水道に関して町や県との調整が終わっていないトイレと休憩所部分については先送りとし、後年度に東側に移築整備される。

 安土城・織田信長関連文書調査は、これまでの安土城近辺から離れ、安土町石寺の光善寺文書と石寺区有文書約二百五十点について実施。この地区は、観音寺城の城下町として、史上初の「楽市令」が出されるなど安土築城まで繁栄、光善寺も近世初期には存在していた。当時の資料が残る期待も大きく、安土城や城下町に関する資料の発見をめざす。

 


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