ぎょうき【行基】 ぎょうき(ギャウキ) (「ぎょうぎ」とも)奈良時代の僧。姓は高志氏。百済(くだら)王の子孫という。和泉の人。 元興寺で出家得度し、この寺で民衆に説教したといわれる。また、民間遊行僧たちの 指導者でもあり、のち諸国を行脚して説法した。道路の修理、堤防の築造、橋梁の架設、 貯水池の設置などに努め、多くの寺院を建立。東大寺大仏造立の際には、勅命をうけて 民衆の協力を求める。聖武天皇以下に菩薩戒を授け、大僧正、さらに大菩薩の号を 与えられた。行基菩薩。(六六八〜七四九) ━‐ず(‥ヅ)【行基図】 奈良時代、聖武天皇の代に行基が作ったとされる日本地図。 原図は現存しないが、体裁をならったと考えられる日本地図が江戸初期まで各種普及して、こう 呼ばれた。 ━‐ぶき【行基葺】 本瓦葺屋根の葺方の一つ。円瓦の一端を他の端より細くし、上の 瓦の太い方で下の瓦の細い方を覆うように順々に重ねて葺いたもの。法隆寺金堂内の玉虫厨子宮 殿や奈良市にある元興寺極楽坊本堂の屋根などに見られる。 ━‐やき【行基焼】 各地に散在するねずみ色の素焼の陶器。天平時代、行基が創始したと伝える。 Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988. 国語大辞典(新装版)小学館 1988.