河辺いきものの森 人と自然、人と人をつなげる森

 河川に沿って分布する森林のことを、河辺林といいます。かつて河辺林は、水害の防備や農用林(里山)として大きな役割を果たしていましたが、今日ではその多くが開発にさらされたり管理が放棄されたりして、その姿を失いました。ここ建部北町の河辺林も、古くから人手が入り、人々の暮らしに深く関わっていた林でした。

 また河辺林は、低海抜地でありながら、シナノキやキクザキイチゲなど本来この標高に見られないはずの山地性の植物が生育するという特徴も持ち、貴重な自然が育まれる場所でもあります。

キクザキイチゲ
キクザキイチゲ

 しかし、里山として利用されなくなったため、照葉樹林への遷移や竹林の拡大による植生の単純化などが起こるとともに、里山を通じた人と自然の関わりも薄れるようになってしまいました。

 東近江市では、このような特異な自然環境を人々とともに守り育て、後世に残していくために、この森を「河辺いきものの森」と称し、人々が自然にふれ親しむ場、環境学習や体験学習の場などとして活用していくなかで、“人と自然、人と人をつなげる森”づくりをめざしています。

1999年撮影
森の全体(1999年撮影)

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