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ベンガラについて | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ベンガラは、酸化第二鉄です。耐熱性・耐水性・耐光性・耐酸性・耐アルカリ性に優れ、天然素材なので人体にも安全である。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
簡単にいうと、鉄さびです。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ベンガラはもっとも安定した酸化状態 にあるため、化学変化を起こすことがない。酸やアルカリにも反応しない為に変色等がありません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他に、紫外線にも強く木痩せや劣化を防ぎ、防虫効果もあります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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木について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
材木の寿命について、その木が育った年限だけ耐力は上昇し、また同じ年限に向かって減少してゆくという法則 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
樋について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ステンレスいぶし樋・・・ステンレス板にいぶした銅が巻いているので錆びることは無い。見た目も上等。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
銅板樋 ・・・銅板で作られた樋で、昔は最高級品。今は酸性雨が降るので、穴が開く部分もある。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
塩ビ樋 ・・・鉄板をビニールで巻いたもの。継ぎ目や、切り口をつけた部分から錆び、腐食する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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瓦について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
滋賀県瓦工事組合青年部の方との合同勉強会がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最近の瓦の作り方 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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焼く仕組み | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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むかし(だるま窯で焼いていた頃)のいぶし瓦は、およそ800℃くらいで焼いていました。現在は1000℃を 超える温度で焼いています。だから、むかしのものよりずいぶん堅くなっています。 |
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・ 瓦は1400年もの歴史があります。 ・ メンテナンス性では、金属・コンクリート製のものが10年に1度塗装が必要なのに対し、瓦は不要です。 ・ 音を通しにくい材質で、吸水性・強度が増し、よりよくなった。 ・ 雨が降ると、わずかながらマイナスイオンが発生します。 ・ 廃瓦について、瓦を割って川に入れておくと水を浄化します。また、割って床下にまいておくと調湿効果もあります。 |
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い草について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熊本県の「すっぴんい草」を参考にしました。(一般のい草より上質です) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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畳について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
畳のランクを分けるものさしに、縦糸の種類・いぐさの量・いぐさの品種・いぐさの長さ・産地があります。 ランクには上・中・下とあり、上は綿糸2重の国産いぐさ、中は綿糸2重の中国産いぐさ、下は綿糸1重の中国産いぐさ等となります。 低いランクのものは、早く色が変わり部分的に黒くなります。
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断熱材について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
断熱材は、吸湿すると断熱効果が低下します。そのため、冬に湿気が入り込む室内側に防湿シートが来るように施工しましす。 湿気を吸湿しやすいのが、グラスウールです。ロックウールは、吸湿しにくい材料です。熱貫流率が低く、熱抵抗値が大きいほうが熱を通しにくいことで、断熱効果が高いということです。 発砲スチロールの床断熱材は、熱抵抗値0.8 グラスウールの床断熱材は、熱抵抗値1.2 ロックウールの床断熱材は、熱抵抗値1.1 しかし、発泡スチロールは気密・施工性がよく、吸湿もありません。グラスウールは、ほぼ正反対です。
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換気口について |
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税金について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自分の敷地に新築住宅(120u以下)を建てた場合
細かく規則があるので、正確なことはお尋ね下さい。 |
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木造軸組工法住宅の構造計画の基礎 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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IHクッキングヒーターとガスコンロとのちがい・・・・・・・・・ガス会社から見ると | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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住宅ローンについて | →詳細は金融機関に御問い合わせ下さい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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財形住宅融資 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
唯一の公的融資。財形貯蓄を1年以上継続して、貯蓄残高が50万円以上ある人が受けられるもの。 5年ごとの変動金利。5年間は固定金利。融資限度額は、財形貯蓄残高の10倍、最高4000万円、物件価格の80%まで |
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フラット35 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
住宅金融支援機構と民間金融機関とのコラボレーションタイプ。民間金融機関が貸し出したローン債権を住宅金融支援 機構が買取り、それを証券化して機関投資家に売却するしくみ。保証量や繰上げ返済手数料が無料。全期間固定金利 型ローン、融資限度額が8000万円以下で物件価格の100%まで可能。 住宅の耐久性などについて公庫が定めた技術基準に適合する住宅。 |
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フラット35S | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フラット35を利用できる方で、フラット35の技術基準に加えて、省エネルギー対策等級4、耐震等級2以上、高齢者配慮 対策等級3以上、劣化対策等級3以上、維持管理対策等級2以上のうちの一つを満たした住宅。 当初10年間もしくは20年間にわたり、1.0〜0.3%の金利優遇が受けられる。 |
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固定金利型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
民間の固定金利型ローンもありますが、変動金利型と比べると金利が高め。金利は、金融機関によってちがう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
変動金利型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原則として、6ヶ月ごとの変動金利。毎回の返済額は5年ごとにしか変わらない(返済額が変わるまでは、返済額の 元本部分と利息部分の比率がかわるだけ)。金利の大幅上昇で、未払い利息分が累積することもあります。 |
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固定金利選択型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
このローンは、契約時に固定金利が適用される期間を選択します。その適用期間が終わると、変動金利にするか 固定金利にするかを選択できます。固定金利期間が長いほど、金利は高くなる。 |
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住宅ローンの返済方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
元金均等返済 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
毎月の返済額は、元金(借りた金額)分を返済回数で割った金額と、残る元金の利息を合計した金額。 毎回、利息分少なくなるのでが返済額が均一でない返済方法。元金の返済ペースが早い上、毎回の返済額が少なく なる。 |
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元利金等返済方 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
毎月の返済額は、元金(借りた金額)分と、残る元金の利息を合計した金額。返済ごとに元金と利息の割合が変わる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
毎回の返済額が一定。最初のうちは、元金の減りが遅く利息が多い。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
木造住宅の良さ
山の現状
古民家の耐震性
基礎工法について
伝統の燻し瓦
小舞土壁
ウッドマイルズ
床、壁、建具、電気
木造住宅の良さ
環境に負担が少ない家つくりの実物教師として大変優れたものであると考えられます。地震,台風,豪雨,多湿など,厳しい気候条件であるにもかかわらず,高知では100年の寿命を楽にクリヤしている住宅がいくらでも見紛けられるのです。
100年前の伝統工法の家の環境負荷について少し考えてみますと,この家は主に木と紙と土と石でできていて,先ず素材の製造,建設,維持,再生,廃棄のそれぞれの程で,最小の使用エネルギーで済みそうです。古い家の木製建具は隙間が多いので省エネではないと思われていましたが,機械換気をしなくてもこの程法的に義務付けられた程度の換気量をちょうど満たしそうです。次に耐久性の問題についてはこの家が物理的に楽に100年持つことは実証されていますし,田の字型のプランで機能的な融通性が高く,様々な生活の場面によく対応できて破綻のないプランでした。また長年掛けてデザインが落ち着いてきた民家型ですので,感覚的な寿命,つまり時代の感性にそれなりに対応できそうな確かさを備えていると言うことができます。更に屋根瓦以外には大量生産部品がどこにも使われていないので,補修の必要が出てきたとき,その部品の製造ラインが動いていないという問題,つまり供給的寿命ともいうべきものへの対応力も十分です。
化学毒物の余り使われていない時代のものですので,生態系に害を及ぼす心配が少ない。資源の循環的供給の問題については木のように繰り返し自給できる素材や,土や石のようにその土地に無限にありそうなものを使うので問題がない。伝統工法では解体して移すことが楽にできる手法によっているし,最後に廃棄するとしても難なく環境に帰っていきます。この伝統工法は長い歴史と地域の風土の中で育ったもので,特異な厳しい気象条件によく耐えて,街中であろうと,農漁村の集落であろうと調和の取れた家並みを造ってきています。長く受け継がれてきた文化財的な建築の修復保存を含めて,この工法がこのような多様な視点から循環型社会の理想の教師であると認識しているところなのです。ただ木材資源の問題を中心に現代の生活と経済の実情に合わない部分があるので,その部分にどのようなデザイン上,工法上の回答を見出していくかが現代に生きる人に求められている社会的責任であろうかと考えています。
山の現状
大戦の前後に多くの山の木が伐り尽くされてしまいました。最後にはヘリコプターを使って奥山の貴重な蓄積まで集材され,希少資源を使い尽くしてしまいました。跡地にはスギ,ヒノキの植え付けが行われましたが,拡大造林と言ってそれまでは広葉樹の林であったところにも国策として植えられ,針葉樹の単純な造林地になってしまっています。
この戦後の山から得られる木材は100年前に使い,それまでに我々の先人が築いてきた木の文化の伝統を支えてきた木材とは大分性質の違うものです。昔ながらの木は「天然木」で自然に生えた,野性的な環境で数百年掛けて生き残ってきたものであり,今われわれが使える木は人工的に造林され保護されて大事に育てられた「造林木」で,未だ数十年の時しか経っていないが,もう大きさだけは育ってしまって使えるようになった木材なのです。従って市場の価格も今ではスギ・ヒノキで見ると10対1の違いが生じています。つまり伝統的な工法の日本建築を支えてきた木材資源が,蓄積を使い果たしてなくなってしまったのです。造林木の10倍の価格がつくというのはこれが希少資源になって,希少価値が出てきたためです。これは資源保護の視点に立てば後世代のために使わないで温存すべきものです。文化財の修復など特別の場合を除いて,経済力にものを言わせて,高価で希少な天然木を使うことはいまや,余り倫理的な行動とは言えないと思います。
なぜここまで資源を使い尽くすまで放置されたのでしょう。天然日の林を主に管理してきた林野庁が必ずしも適切な対応をしてくれなかったことに主に責任があろうかと思われますが,役所と言えども自らの組織を護るためということになると,望ましい行動は期待できないということの実例になろうかと思われます。つまり林野庁は大戦後,木材の価格が高騰した時期に独立会計で組織の経費をまかなう制度に移行していたのでしたが,次第に材木の売り上げでは経費をまかなえない時代になっても,自らの身を縮めて組織を改革することはできなくて,ズルズルと奥山の貴重な天然木の蓄積をヘリコプターを使って出すことで食い潰し,最後には3兆円余のつけを国民に残して,独立会計原則から離脱しそうになっています。数十年前からその成り行きは予見できたので一部の林業専門家の心を痛めてきていたのでした。結果的に日本列島に残されたのは,戦後植えられた,主にスギ・ヒノキの植林の姿です。しかしこれが山の野性的な生態についての配慮を欠いたものであり,農業のように効率を追求することにばかりに目が奪われていて,間伐をして人為的に密度をコントロールしなければ自然に放置したままでは健全な生育を維持できないような管理の方法を採ってしまったので,今大きな問題になっています。つまり植えられた当時の経済状況では,大根の抜き菜のように,過密になった部分を間伐して,その間伐材の売り上げで,その施業の費用がまかなえるという前提で,山の管理の計画が組み立てられていたからです。しかしその前提条件が崩れて,間伐はお金を輸血しなければできない作業になってしまい,間伐の遅れた病的な山が広い面積を占めることになってしまっています。過密な針葉樹の植林は、昼なお暗い林相になり,下草が育たず,足元の土がそのまま露出してしまい,100年経ってやっと1mmの厚さになるといわれる落葉が腐食して造られる,栄養分の豊富な腐葉土を,急な斜面に降る豪雨が洗い流してしまいます。その上に草が生えなくなって保水力を失った地面は洪水と渇水を調整する,いわゆる「緑のダム」としての機能を失ってしまい,下流に深刻な災害をもたらす危ない装置になってしまおうとしているのです。
古民家の耐震性
神戸の大震災で生き残っている姿を確認できました。調べてみると,布基礎も,筋違いも入っていない戦前の古い建物であったりします。ここで学ぶべきことは,筋違いを入れていても,布基礎を入れていても,倒壊してしまうのに,構造的な眼力を失わない一人の誠実な職人の仕事がこのような予想を超えた大きな地震のエネルギーにも持ちこたえている現実があることです。想定を超える力が働いたときには剛構造〔筋かいなどがある家)の対応では突然に崩壊して我々が造ったものが逆に凶器に変わるのです。布基礎とアンカーボルトは地震波を逃さず確実に建物に伝えてしまう装置になっているという見方もできるのです。それに比べて,伝統工法の自然石の基礎の上に乗せられた柱は一定以上の力で横滑りして,カをそいでしまうので安全装置にもなっています。礎石から外れた柱を復旧させる必要があるので,財産上の損失は生じやすいが,人命と財産では比較の議論にはなりません。
もう一つ,筋違いを入れて建物を剛構造として固めようとする思想は接合部に力が集中することになるので,木構造には余り賢明な工法とは言い難いと考えています。木材は自然の素材を切り削って仕口を作るので,その部分の断面が一番小さくなり,弱点が集中します。これは実際問題として金物で補強して補えるような次元を越えた,工法に伴う本質的な問題なのです。ここでも伝統工法は貫を通したり,肘木を通して,この弱点の避けられない部分を無数に増やすことによって力を分散させる工法を採っています。これは不静定次数を限りなく上げてゆく構造体になるので計算式に乗りにくく山勘に頼らざるを得ないいやな仕事だということは私にも判っています。古くなって土台の部分は腐ってなくなりかけているような骨組みを見たとき,土台が腐って,地震力を建物に伝えにくくしたことで,建物はより安全になったのではなかったかと思ったのでした。
基礎工法について
古い住居の伝統には、竪穴式住居と高床式住居とがあります。一方は地面の中に入り込んで冬季にその暖かさを利用しようとする姿勢であり,一方は地面からできるだけ離れて夏季にその冷たさが呼び込んでくる湿気を避けようとしています。地面の深いところでは、土地によって違うが、一年中温度は安定しているので,これを利用すると,化石エネルギーを使わなくても夏涼しく,冬暖かい家になりやすい筈です。100年前の木造民家もやはり,家の中に高床の部分と,竪穴ではないが平土間の部分が混在しています。真冬の暖房時に地熱を利用するために床下換気口を閉じることはなんら危険はないと思われる。しかし、床下に夏季の湿った空気を閉じ込めると,柱や土台を腐らせ,シロアリを招き寄せるようなことになります。
鉄筋コンクリートの耐久性は一般には数十年程度で,戦後の住宅工法の寿命にちょうど見合っているとは言え,循環型社会の住宅の在るべき工法と言えるものではないようです。基礎コンクリートが解体再利用される手法を考えると,今の仕様ではどうも始末の悪いゴミなのです。鉄筋とコンクリートを分離することも大変だし,コンクリートを骨材などに再利用することも効率のよいものではないでしょう。
100年前の自然石や,三和土による基礎構造は断然洗練されたものに見えてきます。自然石は掘り起こしてそのまま再利用できるし,三和土は違和感なく土に返るのです。
伝統の燻し瓦
雨の多い土地柄を反映して,大きな勾配屋根と,その美しい表現に心を砕いて来ました。屋根の防水メカは屋根材の選択によって自ずと決まるものですが,またこの選択によって屋根勾配も決まるし,その存在感も決まってきます。近代建築ではこの屋根勾配を無くして陸屋根にするのが当然のような風潮に支配されてきていましたが,陸屋根は本来砂漠か,それに近い雨の少ない土地柄の屋根形式でした。雨が降っても漏る前に雨が止むような土地柄にふさわしい屋根でしょう。燻し桟瓦、切妻,5寸勾配(下屋では4寸勾配)もまた美しい町並みに見えます。5寸勾配は,風雨が厳しくても大丈夫です。地域全体が被災した時など,とても専門家の手が及ばない時期に,取り急ぎ素人が一部瓦を差し替えて対応できる,このような伝統的なシステムは,屋根材の選択にとってかなり重要な視点です。また、透湿防水シートの下地の上に空茸きにすると、屋根が軽量で地震に強いです。
小舞土壁
小舞土壁が数カ月から一年も掛けて塗られるのに比べて,新建材による軽い壁は安価でインスタントに対応できて,工期の短縮を実現します。やはり軽くて薄いものは存在感が希薄で,我々の生活を受け止める力に欠けるこセモノであると言わざるを得ません。水を含まないので吸放湿性能が貧弱で,梅雨のジメジメと冬季のカラカラの湿度を調整することができず,住人の肌にそれをさせてしまうことになります。また重量に欠けるので外の騒音を通してしまい音の響きをしっかり返す力がないので部屋の残響を貧しいものにしてしまいます。また製造過程の都合で,ホルムアルデヒドなど健康に有害なVOCを放出して,強制的に室内空気の入れ替えを義務付ける法律まで必要になったのです。更に一般に寿命が短く,時を経て味が出て古いものが愛されるという存在にはなりえないので,10年から30年足らずで,膨大なごみを造ることになってしまったのでした。それに比べて小舞土壁は使命が終わっても素直に土に帰つていく哲学的とも言える単純さがあります。
ウッドマイルズ
ウッドマイルズ=木材のリッポウメートル*輸送距離
ウッドマイルズ小さいほど、環境負荷の少ない家づくりにつながる。
小さいほど、二酸化炭素の排出量が少ない。国内でも、九州など遠くから車で運んでくるなら、海外から船で運んでくるのと余り変わらない。
つまり、地産地消が一番無駄なエネルギーを使わなくてもいいということです。
ウッドマイルズ研究会ホームページ http://woodmiles.net