観光は暴力やテロ,戦争など不安や恐怖の社会事情のもとでは成立しない。また貧困も観光とは相容れない。観光をより充実させる客観的条件は「平和」であり,主体的条件は「健康と精神的ゆとり」であろう。好奇心と知る喜びは,観光旅行の中身をより充実させ,人生の糧となるのではなかろうか。〔柴田悦子〕

「イタリア人・カルチャーショック」という本に「大旅行(グランド・ツアー)の紀行文をひもとく」という章があり,世界の文学界の巨匠がイタリアについてこんな言葉を残しています。(一部抜粋)

ローマのカーニバルを見たゲーテが,「この世でもっとも美しいショーのひとつである・・・与えられるのではなく,人々みずからが行う」と書いたそうです。「自由と平等はその馬鹿騒ぎの中でのみ味わいうるものである。確かに・・・」さらに「ローマの外から来た人は,ここではどうすればいいのかわからない。人はいわば,生まれかわらねばならないのだ。そして幼年時代と同じ気持ちになって,これまでの人生を振り返ることを学ぶのである」と結んでいます。

また,スタンダールは,祝祭を見ればイタリア人の国民性と,地域的な特質が判ると考え,「フィレンツェ人は,彼らの大公によって,その多くが新人深いソプラノ歌手に変身した。彼らは今ではもう,美しいそろいの衣装とみごとな行列に夢中であり,それ意外に興味を示さないのである」「やってくる外国人たちの気をそぞろにさせる説明のつかない作用を及ぼす」「イタリアの魅力は,愛の魅力に通ずる」(古代ゴール人の至言より)と書いています。

ゴーゴリーは,「イタリアを訪れた人は,ほかの土地のことなどすべて忘れる」と幸福感にうち震えながら「天国に行った人は地上に戻りたいとは思わない。ヨーロッパとイタリアとでは,曇りの日と快晴の日ほどの差がある」とまで言ったそうです。

一方,オスカー・ワイルドは,ヴェネツィアのゴンドラの旅でずぶぬれになって「棺桶に入って下水道を旅した」気分になったらしい。

アナトール・フランスは,フィエーゾレの丘からフィレンツェを眺めてこう叫びました。「自然がこれほど繊細,優雅ですばらしいところはほかにない。フィレンツェの丘陵をつくりたまいし神は芸術家だ」と。

オールダス・ハックスリーにとっては「トスカーナは,静寂と荘厳な美の王国」であり,その色彩は「金色の光と紫色の影が,まるで自然の景観からぬけでたかのように,あたり一面に漂っている」「この王国のまっただなかに立つと,自分という存在のある部分を理解し始める。それは毎日の平凡な社会生活のなかで表面には出てこない部分なのだ」

ルイス・カーン(偉大な現代建築家)は,「私は,フィレンツェの通りに,あるいは人々の顔に,画家や彫刻家と同じように今なお自分の腕一本で働いていることの幸福を見た。これを失ってはならないのだ。ほかの土地ではどんどんそれが失われつつある」「フィレンツェの洗礼堂の独特の汚れなき空間が,静寂のなかで語っていることに耳を傾ける。それで充分だ」「そこには未来の構図がある。きわめて鮮明に!」と述べています。

う〜〜ん,やっぱり,イタリアはいつの時代も人々を魅了してやまないのね。

先日,ふとしたことで方言の話になって,籾(もみ:脱穀した米のこと。玄米になる前の段階)を入れておく藁で編んだ左右に取っ手がついている円形の入れ物のことをなんていうか,という話題で盛り上がりました。湖東地方は「いじこ」,日野,蒲生,永源寺地方は「つんだめ」,五個荘地方は「とんべし」らしい。こんな狭い範囲でも,呼び名が3つもある物体って珍しいです。

それから「来て貸して」という言葉。最近はあんまり使わなくなったけど,なかなか趣深い言葉だと思います。「これから行く場所(や相手)に,一人で行く(会う)のは寂しいし,ちょいと不安なので,一緒に行ってちょうだいな」という意味です。今は車でぶ〜〜っと目的地にすぐに到達しますが,移動手段が徒歩しかなかった頃は,こうやってお友達を誘って,あれこれおしゃべりしながら目的地(と言っても,すぐ近所だったりね)に行ったんだろうと想像します。「来て貸す」いいですね〜〜。で,用事が終わって,一緒に来てくれた人には「よう,来て貸してや。おおきに」とお礼を言って別れるのが礼儀です。今日の方言講座はこれでおしまい。

街はもうクリスマスのよそおい。

  祝!江戸そば復活!!                  

                         2003年11月13日

まぼろしの「江戸そば」どこに消えた?

ついこの間まで、セブンイレブンにあったのに。誰か探して!

2003.4.15.記

ハナマルキ「具だくさん豚汁」事件!

で、昨日お買い物をしました。

@小倉&ホイップドーナツ    ¥100

Aハムたまごロール        ¥100

B野菜サンドイッチ         ¥230

Cキリン生茶            ¥140

D折り詰め幕の内弁当      ¥490

Eハナマルキ具だくさん豚汁   ¥198

家に帰って、すぐに豚汁のカップに具だくさんの具とみそをひねり出し、お湯を勢いよく注いで、ふたをして、お弁当といっしょにテレビの前に持っていこうとしたその時であった! なんと「具だくさん豚汁」が手から滑り落ち、床に見事に具だくさんの具と汁が・・・・。ふつうのみそ汁にしておけばよかったのに、つい弁当売り場の横の「具だくさん豚汁」に目がいってしまったばかりに、床の掃除に1時間もかかってしまった。ハナマルキの容器はお椀型。あれは本当によく滑るということが判りました。あ〜あぁ・・・。もったいない198円・・・

もどるん